§ V.90(56kbps)通信で接続が不安定になる現象について


V.90(またはK56flex)の56kbps対応モデムによる通信において、接続が上手くいかない、または通信速度が著しく低下したり回線が切断されるなど不安定な状態になる場合があります。



これは V.90 や K56flex 規格での通信は、高速通信が可能な分、従来の規格(V.34, 最高速度 33.6kbps)に比べて電話回線の状況に影響されやすいためです。

通常、モデムに繋ぐ回線は「加入回線」(ISDN でない一般の電話回線)と呼ばれるものですが、一般にこの回線は電話線が長くなればなるほど、また通信機器(モデム, 電話, FAX等)を複数繋げば繋ぐほど「品質」は悪くなります。ここで言う「品質」とは、音声では「サー」とか「ジー」といったノイズ音の強弱、データ通信では回線で扱える通信速度の限度のことです。

もし、56kbps モデムを使用されていて接続や通信が不安定な場合は、お使いの電話回線について次の点を確認してみてください。

電話線にモデムの他に FAX や電話または別のモデムが繋がっていないか。
  ⇒ 電話線には接続に使用するモデムだけを繋いで接続を試してください。
電話線が途中で二股に分岐していないか。
  ⇒ 二股の分岐器を外し回線一本でモデムを繋ぎ接続を試してください。
電話線の引き回しが長すぎないか。
  ⇒ 短めの電話線を使って接続を試してください。
電話線がテレビや冷蔵庫のような高周波を発生する機器をまたがっていないか。
  ⇒ 電話線の引き回しを変えて接続を試してください。



上記項目の確認を行ってもなお接続や通信が不安定な場合は、残念ながらお使いの電話回線が V.90 や K56flex で通信が行える程度の品質は持ち合わせていないことになります。この場合には、モデムの通信規格を V.34(最高速度 33.6kbps)に変更して接続を試してください。V.34 規格に変更することで 56kbps(理論値)上限の恩恵は受けれませんが、その分接続や通信が安定し、結果的に通信のパフォーマンスが向上する場合があります。

この通信規格の変更ですが、「AT コマンド」と呼ばれるモデムを制御するコマンドを使い設定を行います。
一例として、Windows 95/98 上での設定手順を挙げます。

1) 「マイコンピュータ」から「ダイアルアップネットワーク」を開き、メイクスネット接続アイコン(通常「MEIX-NET」)をマウス右クリックし[プロパティ]を選ぶ。
2) 「情報」項目の[設定]ボタンをクリック。
3) 「接続」項目に移り、[詳細]ボタンをクリック。
4) 「追加設定」欄に次のように入力(必ず半角英数文字で入力のこと)。

AT+MS=11,,,33600    (区切り文字カンマ「,」3 つ)
または
AT+MS=V34,,,,,33600  (区切り文字カンマ「,」5 つ)

※上記の設定はあくまでも一例です。お使いのモデムによってコマンドが異なる場合があります。詳しくはモデム付属のマニュアルをご参照いただくか、製造元にお問い合わせください。

5) [OK]ボタンをクリックしていきプロパティ画面を閉じる。
以上で完了です。再度接続を試してみてください。



参考として弊社で確認がとれていますモデム別 V.34 規格用設定を幾つか紹介します。

  モデム(ドライバ)名   V.34設定用ATコマンド(または選択肢)

 Panasonic TO-BXF56K  AT+MS=11,,,33600
 RATOC REX-R256(PCMCIA)  AT+MS=11
 DIAMOND SupraMax 56i(PCI)  AT+MS=11,,,33600
 BTC 56IPI HSP 56K(PCI)  ATS37=12
 PARADISE WaveCom 56k  ATS38=0
 Fujitsu FMV-FX53Z1(内蔵)  AT+MS=11,,,33600
 Fujitsu FMV-FX53Z3(内蔵)  AT+MS=V34,,,,,33600
 Fujitsu FMV-FX53Z4(内蔵)  AT+MS=V34,,,,,33600
 Fujitsu FMV-FX53Z5(内蔵)  AT+MS=V34,,,,,33600
 Fujitsu FMV-FX52Z1(内蔵)  AT+MS=V34,,,,,33600
 Fujitsu BIBLO 内蔵モデム  ATS38=0
 Apple iMac 内蔵モデム  iMac Internal 56k (v.34 Only)



[参 考]各通信規格で扱える通信速度

- - - V.90 規格で扱える通信速度 - - -
(受信)
56000/54667/53333/52000/50667/49333/48000/46667/45333/42667/
41333/40000/38667/37333/36000/34667/33333/32000/30667/29333/
28000/
(送信)
33600/31200/28800/25400/24000/21600/19200/16800/14400/12000/
9600/7200/4800/2400/

- - - K56flex 規格で扱える通信速度 - - -
(受信)
56000/54000/52000/50000/48000/46000/44000/42000/40000/38000/
36000/34000/32000/
(送信)
33600/31200/28800/25400/24000/21600/19200/16800/14400/12000/
9600/7200/4800/2400/

- - - V.34(V.34bis)規格で扱える通信速度 - - -
33600/31200/28800/25400/24000/21600/19200/16800/14400/12000/
9600/7200/4800/2400/

- - - V.32bis 規格で扱える通信速度 - - -
14400/12000/9600/7200/4800/

- - - V.32 規格で扱える通信速度 - - -
9600/4800/

- - - V.22bis 規格で扱える通信速度 - - -
2400/1200/

- - - V.22 規格で扱える通信速度 - - -
1200/

- - - V.21 規格で扱える通信速度 - - -
300/



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